参考

804.狸の剥製

■--狸の剥製の夢
++ カーテン 女性 30歳 初回
最近は夢を覚えてることが殆どないので、数年前夢日記を書いてた時に見た夢の解釈をお願いします。

夢の中で田舎の実家にいる(当時実際に実家にいました。今は離れてします)
父に「タヌキのぬいぐるみをどこにやったの?」と聞いている。(実際にはそんなぬいぐるみはなく、夢の中でのそのぬいぐるみは最初とても古いみすぼらしいぬいぐるみなのだけど、剥製のイメージにいつのまにか変わっている)父はゴミ捨て場に捨てたと言う。それと同時に窓ガラス越しにゴミ捨て場とそこからタヌキの剥製を持ち去る男性のシルエットが見える。その男性は近所の中年男性だと何故かわかる(実際にはそんな人物はいない)わたしは男性の家に行く。男性の家は、バブル時代の成金のような酷いセンスの家だった。男性が出てくる。わたしは怯えながらも怒りを現しながら、タヌキのぬいぐるみを返すように言う。男性は鉄面皮で、そんなもの知らないと言う。それと同時か、そのすぐ後に男性が家の中でわたしのタヌキの首に大きなハサミをあてようとしている図が浮かぶ。その時はじめて、剥製が実は生きていたことがわかる。男性は剥製を殺して自分の持ち物にしようとしている。

以上です。
これを見たのは4年前くらいなのですが、印象深くよく思い出しています。
宜しくお願いします。
.. 8/13(Mon) 22:59

☆ 夢解釈No.804 ☆
はじめまして。
あなたはタヌキを思い浮かべた時に何を連想なさるでしょうか?
夢をより心理学的に解釈するためには、父やぬいぐるみなど夢に出てきたものの連想を広げる作業を必要とします。

ここではその情報はありませんので、ここでの解釈があなたの場合にも当てはまるかは分かりませんが、夢の中のたぬきは、おそらく、あなた自身が持っている動物のような本能的な性格の側面を象徴していると思われます。
そしてそれは父(ご本人の父性的な無意識下の要素)によって、捨てられてしまいます。
つまり、田舎の実家という、一番自分らしくいられる意識の状況のときに、現実には子供の頃はよく機能していたであろう本能的な意識の働きを、失いかけている、ということをこの夢は意味していると考えることができます。

それは今では、「みすぼらしいタヌキのぬいぐるみ」という心像で表現するのが一番ぴったりな何かなのですが、途中から、それは剥製のイメージに変わります。
つまり、幼い頃持っていた本能的な要素は、今では記念品として形は確認できいるのですが、その機能は完全に失われているような状況にあることを示しているように感じられます。

夢の中で、あなたはそのような自分自身の性格の要素を取り戻そうとしますが、未知なる男性的要素に邪魔されてしまいます。
ですがそれは、実はまだ生きている(本能は機能している)ことが分かります。
そしてこの夢は、その本能的側面は未知なる男性的要素と結びついているので取り返すことができていない、ということを示して終わっているようです。

26歳という年齢を考えますと、わたし達はだれでも、大人になるにつれて、動物のような生命力に溢れ、生き生きとした幼い本能的性格の要素は薄れていくのが普通です。

この夢を一言で解釈すると、
「幼い頃は生かされていた本能的な性格の要素との対峙をあらわした夢」
と解釈することができます。
この掲示板では文章量に限りがありますが、もう少し詳しく解釈したくなる夢ですね。
.. 8/14(Tue) 09:35

【返信レス】
++ カーテン 女性 30歳 初回
丁寧な解釈をありがとうございました。
自分が解釈した結果と異なっていたので、軽いショック(笑)と新鮮さを感じています。自分では、忘れて捨てようとしていた感覚の重要さを知らせる夢と解釈していました。取り戻すものでなくて、卒業するべきものだとしたら…ちょっと途方に暮れる感覚があります。ではお礼レスが長々感想になって失礼しました。ありがとうございました。
.. 8/14(Tue) 11:52

【返信レス】
++ 鈴木めいや
返信レスありがとうございます。 この夢は、「卒業すべき」と語っているとは少し考えにくく、無意識的となっているその側面と向き合っていることを示しています。 そして、それと対峙することにより意識の枯渇しがちな何らかの側面は補償されているという意味では、十分「取り戻している」のです。 この夢には、人間ならだれもが通るような普遍的な心の成長過程が生々しく表現されており、心理学的にとても参考になる貴重な夢ですね。
.. 8/15(Wed) 09:16