024.壊れた道

壊れた道
海苔子
41歳 女性 元専門職・専業主婦

不倫中の彼と自転車で2人乗りしてどこかへ向かっていた。私を後ろに乗せて自転車を漕ぐ彼。私の目の前には大好きな彼の首筋。そっと顔を寄せると違う。白くてぷよぷよしているし、匂いも違う。しばらく会っていないからかれが素敵だという妄想ばかり膨らんでいただけで、実際に一緒に居たらこんなものなのかなって夢の中で思った。坂をノーブレーキで下るが速度は一定で振動もなく、怖くもない。気がつくと民家が密集する暗い道で迷ってしまっていた。道が行き止まりで引き返したりということが続くが、彼と一緒だから全然焦らないし、イライラもしない。一緒にどの道なのか考えて、自転車から降りて歩き回るのも少し楽しい。ようやく通れる道を見つけた。今度は私が前に乗って漕ぐように彼に言われてそうしてみたら、ペダルは重くて息は切れるし結構大変なことが分かった。後ろに乗っている時は楽だったのに。そのうちなぜか人の家の中を突き抜けて(中に人はいない)、アスファルトの車道に出た。下には国道が見える。国道へ出れば、標識があるからきっとどうにかなるだろうと思った。来た道を含めると4つの方向に道がある(信号も何もない交差点)。なぜか私は車道が盛り上がって地割れしている道が国道に続いていると予想した。いつの間にか一緒に居る男は彼ではなく夫になっていた。わたしはそのことにはあまりこだわらずに、夫に壊れた道を行こうと言った。そして目覚ましで目が覚めた。

☆ 夢解釈No.024 ☆
はじめまして、ドリームのサイト作成者です。
送っていただいた「壊れた道」の夢を解釈する前に、少し質問させてください。
1)夢の中の不倫相手というのは、実在しない人物なのでしょうか?
2)お勤めを辞めてから、夫との関係はいかがでしょうか?
具体的に、お2人で一緒にやっているなにかはあるでしょうか?
回答の返信を頂き次第、解釈しようと思います。

【返信】
鈴木めいや様
メールありがとうございます。以下、回答です。
1)実在します。
2)あまり変わりません。仕事の内容や待遇が徐々に変化したのに対して面白くないならやめるよう言ってくれたのは夫でした。
3)夫と2人でやっていることは、趣味でジム通い(月に0〜6回くらい)と緩やかな山登り(年6回くらい)と旅行(年に6回くらい)をしています。
彼とはデートや旅行はしていますが、特に共通の趣味はありません。ただ専門が同じなので私が仕事を辞めた時に、一緒に開業するのもいいかもと言われました。
嬉しかったのですが、私は自営業を営むつもりはないので笑って聞き流しました。
よろしくお願いします。

【送信】
海苔子様。
ご回答ありがとうございます。
送っていただいた「壊れた道」は、回答を頂いた文章を読むかぎりでは、わざわざこのサイトで説明する必要などないのではないかと思うくらい、そのままあなたの心の状態が表れているように思えます。
“彼とは人生を共にするつもりがなく、夫と共に歩んでいきたい“というのがあなたの本心なので、夢の中で、人生の道筋を象徴する≪国道≫に出ようと夫に言うのです。
私には、ありのままの精神的な状況がはっきりと表現されているように思えます。

はじめから解釈していくと、夢の冒頭では、≪不倫中の彼と自転車で2人乗りしてどこかへ向かっていた≫とありますが、自転車は自分の力でバランスを取り、自分の足で漕がなければならないということから、精神的な自立心のようなものを表しています。そして、あなたはその自転車の後ろに乗っているので、そのことは、”彼の自立心に依存しているという精神状況“を象徴しています。
と言っても、この中の彼は、実在するその彼を表しているというよりも、あなた自身の男性的な要素(アニムスの心像)が彼の姿を借りて出てきたもので、夢の中で≪こんなものかな≫と思うのは、心の奥底では、彼は自分が思っているほど素敵ではないということに気が付いているからではないでしょうか。実際の彼より、自分の中の理想の男性像のほうが上回っているこということかも知れません。
≪坂をノーブレーキで下るが速度は一定で振動もなく、怖くもない≫
夢の中の下り坂というのは、自分の意志ではなく、その場の状況に身を任せているような精神状態を表していて、怖くもなんともないのは、完全に安心して依存しきっている状態にあるということでしょう。
そしてその先には、≪民家が密集する暗い道≫があります。
そこは無意識界を表していて、それも、複雑さのようなものが強調されている無意識を象徴しています。
通常、アニマ・アニムスというのは無意識の世界へ引き込むような性質があって、あなた(自我)はそのアニムス像によってどんどんどんどん無意識という未知なる闇の世界へと引き込まれていきます。
無意識というのは、暗くて不気味で怖いというような性質を持っている場合がありますが、アニムスに依存して安心しきっているあなたは、怖がるのではなく、むしろ楽しんでいます。それだけ夢の中の彼で表されているアニムスは絶対的な存在なのかもしれません。
そして、行き止まりにあったりして色々楽しんだ後に、≪ようやく通れる道を見つけた。今度は私が前に乗って漕ぐように彼に言われてそうしてみたら、ペダルは重くて息は切れるし結構大変なことが分かった≫とあります。
この辺りから、依存して、非現実的な無意識の世界から、現実的な意識の世界へと方向転換していきます。夢の中の自転車は、精神的な自立心の象徴と言いましたが、ここから、自分の意志でバランスをとり、自分の力でペダルをこいで、自立すること、現実世界に戻ることの大変さを味わいます。
そして、≪そのうちなぜか人の家の中を突き抜けて(中に人はいない)、アスファルトの車道に出た≫の家の中というのは、あなた自身の、なんらかの意識の全体性を表していて、なにかを意識する(家を突き抜ける)と、車道に出ます。車道はまさに、現実においての人生の道筋の象徴です。
≪来た道を含めると4つの方向に道がある≫というのは、それだけの人生を選べるという精神的な状況にあるということを象徴していますが、あなたは迷うことなく、現実的に生きることを、つまり夫と人生を歩むことを選びます。
夢の中の≪国道≫というのは、国が管理している道ということから、まるで安全が保障されているかのようなニュアンスのある、現実的な人生の道筋を象徴しています。
そして、≪そこに続く壊れた道≫は、現実的な世界へ戻るために通らなければならない険しい道を表していて、その時には、アニムス像は不倫相手の姿ではなく現実の夫の姿へと変容しています。
この変容は、ついさっきまではアニムスによって非現実的な無意識の世界に身を委ねていただけであったあなたの自我が、いまでははっきりと意識の世界に目を向けていることを示しています。
そして、不倫相手の彼ではなく、現実の夫に、「壊れた道を行こう」と意思表示をして目を覚まします。
これは、「夫と国道(安定した人生)を一緒に歩んでいくんだ」という心理的な状況を表していて、このことは、あなたの言葉にあるように、「夫と2人でやっていることは、趣味でジム通い(月に0〜6回くらい)と緩やかな山登り(年6回くらい)と旅行(年に6回くらい)をしています。彼とはデートや旅行はしていますが、特に共通の趣味はありません。ただ専門が同じなので私が仕事を辞めた時に、一緒に開業するのもいいかもと言われました。嬉しかったのですが、私は自営業を営むつもりはないので笑って聞き流しました」という説明にハッキリと出ていますよね。
このように解釈しましたが、いかがでしょうか?

【返信】
鈴木めいや様
ありがとうございました。解釈していただいた通り彼と一緒になりたいとかいうようなことは考えていなくて、常日頃から夫と添い遂げたいと思っています。
それがあらためて夢となって出てきたのですね。

送信日時:2007年05月02日